指輪世界の第五日記。基本的に全部ネタバレです。 Twitter 個人サイト

2005-01-01から1年間の記事一覧

修飾と理屈の枝の強さ

「非常に」「かなり」「けっこう」「場合によっては」「こともある」などの言葉は侮れない。これらは丁寧に配置する価値がある。 理屈話の論理の枝の生え伸びは、決して堅固ではないし、一様でもない。もろく危ういものであり、枝によって太さ細さがある。時…

続brとp

brとp、間隙と塊、シリアルとブロックの補足。 別の言い方をすると; pタグのへぼいところは、pタグを使うということが、改行を制御するのを放棄するも同然だ、という点です。 改行ブロックレベル要素派、すなわち改行pタグ派には、<br><br><br>に相当する実装がありませ…

日本国憲法と締切

現実的視点から憲法9条を守るの続き。 現在の日本国憲法は、終戦後1946年2月から、マッカーサー元帥が大急ぎでぶん通したものであり、日本人が作ったものではない。 このときの状況をみると、2月26日開催の極東委員会(極東委員会資料概要)に先んじて既成さ…

brとp、間隙と塊、シリアルとブロック

HTMLのタグのなかで何が好きといって、br、強制改行タグが一番好きです。pタグは苦手です。 brタグはインライン要素に属し、シリアルに文章の中に置かれてその前後を隔てます。一方、pタグはブロックレベル要素に属し、段落の前を開始タグ<p>で、後を終了タグ</p>で…

妨害的端役の人間テクスチャ

テーブルトークRPGのNPC、ノンプレイヤーキャラクターは、テクスチャがオブジェクトに貼り付いて、ポジションに置かれているものである。テクスチャとは人間とか、狼とか、ウサギとか、モンスターとかいった見た目である。ポジションはシナリオ上の役割のこ…

作業分割のための文章

文章は思考の作置式ショートカットとして使える。いったんそれを書き上げ、あるいは読了して、信用し、受け入れ、脇に置いておく。するとそれ以後、関連する問題について考えるときに、その文章が論じた部分は思考時間をすっとばして先に進むことができるよ…

先生方の「一番大切」

ときどき偉大な先生方がインタビューを受けて、○○作りで一番大切なことはけっきょく△△ですね、などとおっしゃることがある。そういうのは御自分で何を言ってるのかわかっておられないので、七割引で聞かなくてはならない。実際には先生方は多数の要素をさば…

TRPGのアブソーバーと消せない記録

アブソーバーとは、ヒーローポイントのことである。これはいにしえの007/ジェームズ・ボンドTRPGで、1セッションにつきキャラクターのレベルぶん、行為判定のサイコロの振りなおしができるというものであった。以後さまざまなTRPGで、英雄点とか、ラックポイ…

ブログ防火技法の一、溜めからの連続エントリ

コメント欄や相互言及というのは嬉しいもの、とはいえ、時としてして火事の起こることもあります。2度ほど経験がありますが、それはそれで血圧が上がって、朝の目覚めが非常に明爽になって、良いものです。今日もあいつに会えるぜってなもので充実感がある。…

萌える諸子百家

ある晴れた日、荘子と恵子とが連れ立って、川沿いの土手を歩いていた。 荘子「あー、暑い。おっ、見ろよ、魚が泳いでる。気持ちよさそうだよなあ」 恵子「魚の気持ちがどうしてわかるのよ。あんた、魚? 馬鹿?」 そこで荘子は恵子を突き飛ばした。 恵子「な…

旧仮名遣いの文章さん

世の中には文章さんが居ない文章というのもままある。程度問題なので、わずかには居ると言ってもいいが、まあ居ない。 文章さんを呼び出すには、過去の読書体験に費やした時間と現在キーボードに費やす時間との、二種類の時間が要る。ときに、この界隈では旧…

わかるという体験は信用できない

わかるという体験は信用できない。たとえば今年8月18日前後、僕はコンピューターRPGのプレイヤーと経験値や貨幣、報酬と並列独立式の処理について「わかった」ので、いそいそとその話を去年のエントリーに追記した(CRPGの最適化と確認の脚注)。ものすごく…

論理法則より物理法則のほうが偉い

法則のたぐいには強さのレベルがある。人間の定めた法律や規則は、かなり弱いほうで、破るのは悪いこととされ、それを守らせようという力もあるが、けっこう簡単に破ることができる。次に物理法則があって、慣性の法則とか、これを破ることはできないのでか…

明日は文章さんとデート

明日は文章さんとデートだ。ひさしぶり、12日ぶりだ。 何の話をしようかな。良い二週間だったから、話題はいっぱい溜まってるんだけど。 文章さんは、3時間ぐらいの空き時間ではなかなか付き合ってくれない。たとえ3時間で文章が仕上がり、書き終えてまた今…

西の突撃兵

1918: Storm in the West というウォーゲームをやった。テッド・レイサー作、第一次大戦の最終節を扱ったゲームだ。ドイツ軍の一大攻勢、カイザー戦が行われ、それを受けきった連合国軍(仏英米その他)が反攻する。 ドイツ軍の精鋭、突撃兵軍団(ストルトル…

政権を取っていない党のすること/10、20、50議席

あの政党は妥協して政権を取ろうとしないから駄目だ、という台詞もまま聞きます。が、そうでもないのです。 政党は政権を取らなくても機能しています。 具体的には10議席、20議席、50議席に閾値があります。 10議席で代表質問権、および党首討論参加権が取れ…

わからない時に抜本的治療をするといかれる

現在の民主主義がうまくいっていないのはわかる。病症はいくつか見える。病因もちらほら見えないこともない。だが治療というのはややこしいものであって、見えれば治せる、病因を除去すれば治る、とはいかない。 見えていてもなおどうすれば治癒するのかがわ…

負けそうになったら乗り、勝ちそうになったら降りる

人に投票を頼んでいたら、「でもあの党は政権取ったら何するかわからないからなー」と言われた。 確かにそこそこあやしい。そこまであやしくもないけど。だが、政権を取らせるのが怖いとしても、それでも投票していただいて大丈夫である。なにしろ政権どころ…

現実的視点から憲法9条を守る

憲法9条を改定しようという考えは、真面目で几帳面なものではあるが、今は特にリスクが高くて見合わない。 自衛隊はまともに法定義されていない軍隊であり、法治下にない軍隊というのはけっこう危険な存在だが、ここしばらくのところは国民感情も軍人への政…

猫に鼠をどんどん与えていく/サブルーチン式の制御と並列式の制御

ローレンツ先生の『攻撃』にいわく、動物行動学の実験で、猫に鼠をどんどん与えていくというのがある。 狭い実験室に猫と鼠、どちらも生きている、当然猫は鼠に忍び寄り、捕まえ、殺して、食べる。さらに鼠を投入していくと、そのうち、猫は何匹か、鼠たちに…

面白うてやがて笑えぬプロパガンダ映画/ヒトラーとA・ネフスキー

そういえば宮崎駿先生が『妄想ノート/泥まみれの虎』でおすすめしていたロシア映画アレクサンドル・ネフスキーも見た。渋谷のツタヤで聞いたらあった。んで、最後の 「われらの国に攻めてくる奴は必ず滅ぼされ、死の運命に追い落とされるであろう!!」 っ…

死に票という言葉はぬるい

死に票という言葉を使う人は、大体で言ってぬるい。 死に票になることを避けようとして投票している時点で、その票が死に票になっている。そして場合によっては、死に票になる以上に悪い。 死に票を避けて意味があるのは、記名式投票で選挙後に当選者からな…

宇宙戦争/俺戦国自衛隊のあらすじ

宇宙戦争を皆で観て来たら、F橋さんが「これってブラックホークダウン*1なの?」と言った。 見事だ。 BHDみたいなことをやってきたからBHDみたいなこともされる、という因果が通る気がしないでない。 日本の怪獣映画的な、自分たちに責任のない一方的な被害…

「なぜみんな本当のことを言わないのか?」

たいがいのやりとりにおいて、持っている情報をなにもかも喋っていてはコストがかかる。コストを低減するためにプロトコルを使うという手がある。細かい定義や文脈やらをパッケージにして共通の前提とし、省略する。その場合、そうしたプロトコルを制定し、…

呪いのややこしさ

昨日、無敵の愛の伝説/呪いについて触れたが、呪いは無敵の愛にかぎらずたくさんある*1。呪われるからといって伝説や観念をかたっぱしから潔癖にぜんぶ削っていくと、肉体しか残らない。われわれは複雑不可逆奇々怪々に組み上がってはいるが、肉体は生物学的…

最近のイマジナリー戦線

最近のイマジナリー空間の動向。 イマジナリー空間とはわれわれの文化、特に現在進行中で受け手がたくさんおり、盛んに読み聞きされているものをいう。 例:「ツンデレとは被愛妄想のイマジナリー空間版である」 ■EBM内06月07日付 ナイーヴ・テルミー・テル…

君はシンデレラの靴は割る派?/沙耶の唄

18禁エロゲー『沙耶の唄』(ニトロプラス)をやった。こいつは素晴らしい。3000円、3時間、2選択肢、3エンディング。フルボイス演技良好。 主人公は手術の後遺症で、まわりの人間が醜悪な肉塊の、怪物に見える。しかし一人、ヒロインである沙耶(さや)だけ…

堕落オチの禁止(/蝙蝠)

作品の話をして、最後に、人々が堕落している、と言って締めるのを禁止。 ・作品はいいんだけれど、ファンが堕落しており気に食わない。 ・これは良い作品だが大部分の読者にはただ消費されるだけだろう。まったく、堕落している。 ・悪い作品だ。これが受け…

ファーストムーブで定義? 殺る気だな。

まず定義から、と語りを始める人がいますが、おおまかに言って、誤りです。理屈や感想を語る場合には、定義をほかして始めるほうが、味の良い出だしになる場合が多いです。 まず厳密に定義をかためた概念を土台において、そこから演繹的に話を伸ばすという手…

俺の屍を越えてゆけ/家督を執ってみないかね

「こんにちは、先生」 「彰宏君。こんばんは。何をしているの」 「俺の屍を越えてゆけというプレイステーションのゲームの解説作りです。」 「名前は知ってる。俺屍(おれしか)、というやつね。RPGだっけ?」 「はい。2年弱で急激に成長・死亡する呪いをか…