指輪世界の第五日記。基本的に全部ネタバレです。 Twitter 個人サイト

男の子と女の子とドイツゲーム大賞

「ああ、それはそうですよ。男の子のほうがぼけっとしている。だって自前でお金を叩き出せるようになるのが20台前半で、もっといけば30台でもまだ片足親元でしょう。お金を叩くための技術が高度化していて、12才で学ぶ技術から何段も積み重ねてやっと、お金に触れるだけの技術になる。その間は『これって俺が実際に使うことになる技術なのかなあ』と疑いながらスキルツリーを伸ばしてる段階だ。自分の技術が幾らなのか、責任能力不定な、客体的でぼけっとなる期間で、これが長い。市場と会同した時点で、そこの需要がどうなっているか、そこで技術に値段がついて、やっと他人に切れる手札を持つことになります。」

「女の子のほうが大人だよね」

「女の子は大変ですよ。女の子はけっこう大変ですよ。女の子のほうが独自の大変さがある。あれは手札が良くなってしまうピークが早い段階で来るから。だってさ技術でお金を叩き出せるようになる学習曲線の坂のはるか手前で、手札がすごい良くなるんですよ。だから自前の基盤がぜんぜんまだ脆弱な状態で、手札をさばくか、見送って基盤を強化するか、選択しなきゃいけないわけだ。それでまた可愛い娘っ子の場合はその手札が軽いもんじゃない。非常に強力なカードを10台で持たされる。そこにかけられるプレッシャーは異常でしょうね。本当に大変でしょうねたぶん。だから気の利いた可愛い女の子は頭がおかしくなって当然。」

「頭がおかしくなるって。まあもっと飲め」

「はい。ありがとうございます。それでそのカードは何年かしたら返してもらうから、って言われるわけだ。初めて入ったゲームの卓でね。ルールも場況も教わってる最中なのに『あ、君のその手札いいね。すごいいい手札だよ。n回に一回の手札だよ』とか言われて、『ちなみに何ターンか進んだらそのカードは返してもらうから』なんてねえ。これはひどい。誤手も、ミスプレイも、そりゃあ出ますよ。プレイヤーがそんな上手くさばけるわけないもん。またほうぼうのガイドブックに『親や親戚に判断を助けてもらうのは下手の証明です。みっともない。一人で決定するのが立派なプレイヤーです』なんて書いてまわってあってね。これはひどいドイツゲーム大賞にはノミネートもされないでしょうね」

ボードゲームかい。昭宏君、ちょっと小さく、小さめにね」

「すみませんねこんな話。大声で。いや、ゲーム脳なもので、ついこういうことを考えますね。下家爆死も、卓崩壊も、そりゃねえ出ますよ。じゃんじゃん出ますよ。阿鼻叫喚の絵図でしょうねたぶん。大変ですよ。いやそんな大変でもないかな。まあ大変ですよ。」



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