オペレーターズサイドはPS2のZORKたるべし
『Operator's Side』を見せてもらった。
「右」「眼」「マシンガン」などと指示していく戦闘は、楽しいものではない。にもかかわらず、中〜後半のメインとなっており、間違っている。本来追求すべきフィーチャーは、
別の言い方でいえば、オペレーターズサイドは、十字キーをマイクにとりかえてバイオハザードをしてしまっている(バイオハザードとは、不自由な操作性によって「そこに怪物がいることがわかっているのにのこのこつっこんでしまう・逃げなければならないのに足がすくんでしまう」ままならなさを再現し、それがすなわちホラームービーの世界観である、というゲームである)。
そうではなしに、音声入力によって主人公キャラの状況描写を引き出し、それによって世界を少しずつ理解し把握し、有効なコマンドワードを増やして、チェックポイントを突破していくゲームであるはずだった。
ここで、テキストベースのみであったZORKとの大きな違いは、ポリゴンでつくられた世界をユーザーは視覚ですでにとらえており、そしてその視野の中に、世界をより近い視点で観察している主人公キャラクターがいることである。
このため、主人公とユーザーとの理解の差を会話によってすりあわせていくことで問題を解決していくという構造が自然である。一見ユーザーからは○○にみえるものが、実は△△であり、主人公とやりとりをしていくなかでその誤解がとかれ、ゲームが先に進む。
あるいは、危機が迫っているのに油断している主人公をユーザーが急かして逃れさせたり、逆におびえて腰抜けになっている主人公をユーザーがはげましたりする、そういったチェックポイントを設ける。すなわち、主人公とユーザーとの持っている情報の差・世界観の違いに、ゲーム性を求めるのである。
そのような世界理解の違いを追求することで、おそらく一種の叙述トリックを構成することも可能であろう。
[zk] コマンド自体を探索するタイプのゲーム
コマンド/コマンドワード選択式のADVに比較したとき、ZORKその他のテキストADVでは、入力空間がいわば無限である。その無限の暗闇の中に、細い探針の光を一回ずつ投射して、自分をとりまく環境の姿をさぐっていく。あるいはこれらは、言語空間を探索するゲームである、とか、動詞と名詞の論理構造をマッピングしていくゲームだとか、言えるだろう。これらのテキストADVでは、攻略上マッピングだけでなく、有効な単語のリストを作成していくことが有効なのだ。
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