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サンプリング、サンプリング、ヤホー、ヤホー/欲望を見よ

 人の欲望は他人の欲望が志向するものに志向し、これを「欲望の欲望」と呼ぶという(内田樹の日記の2002年2月13日)。これは人間のもつ社会/環境のサンプリング機能であろう。つまり、季節やなにやによって餌なりなんなりの資源の多寡が変化し、去年は野イチゴの実りが悪くてレア(ビタミンが貴重)だったが今年はマンモスが少なくて毛皮が大切(保温重要)とかになる。そんな頻度依存な状況に対応するには、他人をアンテナとして利用し、彼らが何を欲しがっているかをチェックして、自分もそれを手に入れておくとよい。理屈としては孔雀の尾羽の性淘汰の話にちょっと似てるが、より速い変化に対応する話である。

 日本の青年男子は富国強兵がブームだったとき立身して植民地をつくり、政治が流行ったとき講堂に立て篭もって放水車と戦ったりしたものだが、それらのムーブメントが敗北して去勢されたので、欲望対象に娘っ子が残った(残り物あつかいでござい)。こうして恋愛重視ラビズオールな文化体系が成長し、萌えはその一部である。富野由悠季監督が「自分はこれまで、病気の人間を増やす作品を作ってきてしまった」と自責するのも、そういう欲望のプロモーターとしての意味があるのかもしれない。たとえば、監督はターンエーガンダムのキャラデザ時に曰く、少年(ロラン)は身近な人ではなく、キエル・ハイムのような高めの人に恋をせよ、と仰ったらしい(∀ガンダムデザインズ)。そういったエピソードから愛を感じるので富野監督は好きだ。

 まあでも、多少歪んではいても、娘っ子というのは、前二者よりよほど人死にの少ない、安全寄りな欲望対象ではある。

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