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悲劇と解決と設定の矛盾/やっぱり千鶴さん

 ギャルゲー/エロゲーにおける無矛盾な設定、あるいは平行世界、あるいはSFタイムパラドックス設定はどのような機能をもつか?

 各ルート間の設定を無矛盾にすることは、悲劇とその解決の両方(謎と悲劇の解決と力/YU-NO)を描く上で重要である。千鶴さんに殺されてマゾヒスティックにうっとりした(殺され萌え)あと、事件を解決して一家団欒する。この、悲劇的な話と、甘ったるい話とを両立させ、順序良く視聴できるのが、ノベルエロゲの長所であった。ポイントは、ゲームならではの多重世界解釈に加えて、18禁であるがために、きつめの悲劇といちゃいちゃなハッピータイムとの刺激落差を大きくとれることであり、こういうのは従来の映画小説漫画では演じ得なかった演目だったため消費者が大興奮した。

 そしてここで、悲劇篇と解決篇とで設定が違うと、解決篇がどこか別の平行世界で行われたことになってしまい、釈然と解決しない。つまり、「どっか他の平行世界で不幸になってるキャラがいるのでは?」「日本刀とラブラブになったら病気は病死してるのでは?」となってすっきりカタルシスがこない。そのへんが議論の種になったりもする。

 なお、設定に矛盾がないのなら、元来は悲劇篇と解決篇、どちらから先に読んでも矛盾はないわけで、よく考えると、千鶴篇の悲劇のあとで柳川篇の解決があったのだ、という解釈は保証されていないことになる。つまり、柳川篇のあとで千鶴篇があったと考えても論理が通る。だから痕タイプの悲劇/解決作品では、システムが読む順序を限定して、必ず悲劇篇から読ませる必要があるといえる。

 この点については、YU-NOEver17などのSFタイムパラドックス設定作品はより頑健である。悲劇から解決へと因果関係がつづられていくからだ。よってハッピーエンドが最終場面であると保証され、大きなカタルシスがある。これを逆転させて鬱ゲーとした場合、一家団欒から娘っ子をひとりひとり倒していくにつれて、因果の必然が絡みに絡んで逃れようもなく離散崩壊の悲劇へと着地するタイムパラドックスループエロゲーということになり、僕は遠慮するがもうあるのかもしれない。



参考:TINAMIX Leaf 高橋龍也&原田宇陀児 インタビュー

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