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情報化と不遜

「理屈よ…今日はお前に、『評論家めが偉そうにしやがって』への返し技を教えておく。」

「はい、父上。」

「たとえばアニメならアニメの制作者というのは、監督、脚本、演出、原画、動画、背景、云々と大量に居て、それぞれに軽重な労力を積み重ねてアニメを作っている。そこへひょいと出て来た評論家がだ、ぱちぱちキーボードを叩いただけで、その出来を断じて良いのか、その価値を評していいのか、偉そうに。しかしそう言うならば、そのアニメならアニメ、あるいは実写なら実写も、現実のなにかを描き、評価している。世界は時に醜くもあるが、そこに暮れていく夕陽は美しい、とかだ。太陽を動かす苦労を真面目に考えてみれば、フィルム一巻23分で描かれ評価されて、ラーやヘルメスが小腹を立てても不思議はないと考えられる。どうだ、要領収めたか。」

「はい。太陽といわず、雪国の鉄道屋等をあてはめて使えます*ppy。」

「そうだ、といって、この手は可能な返しのうちの一つに過ぎぬ。同じ技が来ても同じ返しばかりとはいかぬ。自分なりの返しを得たら、懐中に備えておけ。」



「理屈よ。この技について、より一般化して考えれば、なにかについて表現し語るということ、つまり情報化するということは、常にある程度、侮辱を含む。人の行動を生物学や文化人類学ライクに適応的/目的論的に語るときなど、特に著しい。侮辱自体は原理的に根絶できん。問題はその程度が閾値を越えるかどうかだ。父は年経るまでこの閾値を意識せなんでおった。むしろ侮辱を楽しみもした。力学を知らぬままに振舞っておれば時に傷を負う。要心してあれ。」





[ppy] 鉄道屋その他の例

 ハッピーエンドで主人公がお菓子屋になれば、リアルお菓子屋は「菓子小売業が甘いものかよ、侮辱すんな」と思いもしようし、善人の医者を登場させれば「勝手に医者を偶像視すんな殺すぞ」とも思わんであるまい。

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