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不満ローギアスタート

 誰かの所業に不満があったときに、ローギアからはじめて一手一手メッセージを送っていくやりかたは、交渉であり、押し引きして落としどころで手打ちにするという考え方であって、勝ち負けはない。これは時間のある場合のやり方で、互いの利害が真っ向から一次元直線上に乗って対立してはおらず、角度がずれていて、そこで妥協点があると仮定して探針を打っていくものだ。じっさい、この世に真のまっこう対立、ゼロサムゲームというのはほとんどない。きれいに言葉が通じ考えがかぶって、価値観が表裏一体にぴったり対応しているような、そんな相手はそうそういない。たいがい、勝ち負け、という字面を使わないでおいたほうが、誤りにくく、安全である。

 時間のない場合は、押し引きによる相互理解をやる時間がなく、トップギアから全力ガチ勝負で速攻となりやすい。世の中、時間のある状況ばかりじゃない。また、実際には真っ向対立ではなく時間もあるにもかかわらず、相手がトップギア全力ガチでやってきた場合は、ふりかかるなんとやらでやるしかない場合もある。

 逆切れというのは、ローギアスタートの交渉プロトコルを有する集団における寄生者である。交渉によって落としどころを探しあう集団はけっこう幸せにやりくりできるが、そこにいきなりトップギアで始めてみせるプレイヤーが入ると、そのプレイヤーは得できる。強気な嘘、ハッタリの不満を言い張れば、落としどころがはるかに自分寄りになるからだ。そのような寄生者は一定の頻度で生まれ生きていける。その頻度以下に蹴り出すためには、交渉プロトコルの生むメリット以上のコストを払わなければならず、その頻度以上に増えると、トップギア同士の衝突の確率により逆切れが赤字になる、そんな頻度だ。



 ゲーム理論のタカハトゲームを参照のこと。進化とゲーム理論 John Maynard Smith 1985

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