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「なぜみんな本当のことを言わないのか?」

 たいがいのやりとりにおいて、持っている情報をなにもかも喋っていてはコストがかかる。コストを低減するためにプロトコルを使うという手がある。細かい定義や文脈やらをパッケージにして共通の前提とし、省略する。その場合、そうしたプロトコルを制定し、流布して使うのにかかる時間とコストからして、その更新期間は短ければ短いほどいいというわけにはいかない。したがってプロトコルと本当のこととの間には常にいくらかの乖離がある。



ところでこの問いに対して、上記の話でのべた以外の理由を挙げるとしよう。すなわち「根本的に/原理的に、完璧なコミュニケーションは不可能だ。どうしても伝えることの出来ないところがあるからだ」 この理由はこの理由で成り立ち、正しい。そしてこの理由は、上で述べたコスト面に着目する理由よりも、強固だ。というのも、コストからくる理由は、コストの程度問題であって、そのコストを減らしたり、あるいはあえてそのコストを担い忍ぶぜと果敢に開き直ってしまえば、克服することができる。それに対して根本的/原理的な理由のほうは、どうしても削ることができない。だから根本的/原理的な理由のほうが強固だ。

 強固だ、しかし、重要ではない。


[図1 A:コスト面から来る理由 B:根本的/原理的な理由 C:その他の理由]

 てきとうな見積りだが、この問いに対する理由の、占める割合はこんなものだと思う。たしかに根本的/原理的に生じているものであるところのBの部分は、けっして削り減らすことができないだろうが、そんなに大きな割合を占めていない。プロトコルの流布コストからくるAの部分のほうが大きい。

 ※以上の理屈の流れ方は本質の無益さと同源。

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