シン・ゴジラネタバレワンポイント
「じゃあネタバレ部屋作りますね」
「オーケイ」
「はい」
「ここ?」
「ようこそ」
「どうでした」
「ダメどころは色々あるな。まず、アメリカ特使のキャラ付け…
…あとゴジラの立ち位置に依存しすぎる最終作戦。ゴジラがあそこに居続けてどこかよそに行くことを考えない」
「んーそれは、そこは一点、あなた方に言っておかなければならない」
「なに」
「最後の決定打が盛り上がらないとか、顔をむけて倒れること、機材のスペースがあることの都合良さ、といったことを言う向きがあるが、そこは失礼ながら重要なポイントを逃していると申し上げたい」
「なによ?」
「それはこの映画が、『ポンプ車にゴジラを倒させる』ための映画だ、ということです」
「??」
「陸自の20mmガトリングから始まって、ひとつひとつの兵器が通用せず、適切に順番に火力が増大して、ついに世界最強の通常兵器バンカーバスターまでエスカレートしても勝てない。そして場所は日本の人口の中心、東京駅。その絶体絶命の大危機の、最後の救世主が、3個小隊のポンプ車だと。最強最悪の巨大生物ゴジラを倒した決まり手は、ポンプ車の注水だった、という、この決勝点の絵面を写すために、おおよそすべての設定と展開がある。それまでの努力とそこからの未来の、すべてを託されてゴールを決めたのはポンプ車なんだと」
「なるほど?」
「ポンプ車作戦の実行の詳細が描写されない、わからない、といったことをおっしゃる向きもあるが、そこはぜひわかって頂きたい。ガレキをどけてスペースを作り、四苦八苦ホースを伸ばしつないで注水する、それはもうわかっているのだ。フィクションのほうで長尺の描写をやりすぎては尊礼を損ねるというものだ」
「どうしてそこまでしてポンプ車にこだわるのか」
「バラバラな仕様のポンプ車を全部使ってやるんだと。どれが使われた、どれが使われなかった、とかじゃない。そんなことガタガタ言ってんじゃなく、集まったポンプ車すべてが英雄なんだ、全部活躍させる、させたい、ブーンドドドさせるんだと」
「倒れた口にホース突っ込んでゴクゴクというあの絵が全然かっこよく思えないけどな。都合よく届くのかとか、政府が苦しんだ想定外がまるで起こらないし、人類側の作戦がそこまで上手に決まってほしくないという感情もある。これまで数々のスーパー兵器を退けてきたゴジラが倒されるんだから相応の説得力がほしい」
「そうかな。もう『ポンプ車で勝った!!』『うおおおポンプ車だあああ』という感想で脳内のタイムラインがいっぱいですけど」
「どこだよ」
当時の記事 http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2200I_S1A320C1000000/
中央建設株式会社記事 http://plus-mie.jp/fukushima.html
一緒に見に行った土屋つかささんのネタバレ感想http://someiyoshino.main.jp/nowornever/?p=88