指輪世界の第五日記。基本的に全部ネタバレです。 Twitter 個人サイト

多人数ゲームのラストップ問題と雀鬼流

 雀鬼流雀鬼流の卵)のルールは、ルールと呼ぶには曖昧すぎるものだが、ノーレート麻雀の持つ問題への意識が強く感じられる。ボードゲームでもときおり問題になるが、たとえばトップの目のなくなったプレイヤーの行動でトップが決まってしまう状況というのはヤバい(10、アガサン論争とその解決策)。たとえば先日、プエルトリコの3人プレイで、最終ターン最後のプレイヤーが


だめだ、出港点が俺a点、お前b点、お前c点だから、俺が建築すればお前の勝ち、それ以外ではお前の勝ちだ。
……だめだ。
となったことがあった。そこではとりあえず「そいつの負け」ということにしたが、困ったものである。これを「ラスがトップを決める」、ラストップ問題という。
 特に多人数ゲームではプレイヤースキルが揃いにくいので初心者の愚かな行動でゲームがワヤになり、長時間かけた熱闘がどっちゃらけサドンデスして「俺の5時間はなんだったんだ」と愕然しやすい。


 解決策としては、まず、金を賭けるというのがある。金を賭ければ、ダンラスのプレイヤーでも点数にモチベーションを持って行動するので*ct、トップ争いをしているプレイヤーはそのモチベーションを予想しながらプレイすることができる。また、何か愚かな行動をするプレイヤーがいても、その責任を文字通り、払うことになる。
 第二の解決策は、ノーレートであっても、どうやっても負けるような状況に陥ったプレイヤーがどんなプレイをするのかを、プレイヤー共通の認識で定義してしまうことである。定義して、どう振舞うのか予想できるようにしてしまえば、その結果トップが決定されても困らない。その行動を読みに組み込んで勝負することになるのだから。
 第三には、ボードゲームでよく用いられる対処法だが、非公開情報をふやし戦場の霧を濃くして、現在の順位をわかりにくく、ゲームがいつ終わるのか知りにくくすることである。そうすれば「2位以下はクズ」なゲームで2位以下確定のアガりをされても「この愚か者が!!ちょっとそこへ直れ、今から"あるべきタイタンプレイヤー"講義小一時間コースを履修させてやる!!」は起こりにくい。勝利得点チップが非公開だったりするのはこのためといえよう。


 雀鬼流のルールは、上記三つのうち第二の解決策に近い。それは明確に定義されたゲームの枠・土台・物理法則ではなく、トップ争いをしているプレイヤーがダンラスのプレイヤーの行動を予想し読みに組み込めるようにするためのものであり、ボードゲームプレイヤーの集団でも、実態としては、ある程度そのような了解が形成されている。しかしそれはつまり「講義小一時間コース」なわけだが……


関連かつもっと深刻な問題:(トップが不利になること


[ct] 金を賭ければ、ダンラスもモチベーションを持つ

 金銭でなくとも、状況が整っていれば、たとえばカプコンのネットカタントーナメントスレで提案されていたように、 トップは+10pt 2位以下は(その時点での得点-10)pt のように処理する手がある。

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