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使い捨ての評価基準

 この映画はここがこうだからすごい、この漫画はあそこがああだから嫌いだ、そういった理屈話において、評価の基準というのは、何度も使われ続けているうちにくたびれてしまいます。

 理屈話を何個も書いていくなら、あるいはすでに他の人の先行理屈話が何個もあるテーマならば、評価基準は、理屈話ごとにひとつ新たに、でっちあげなければなりません。

 理想を言えは、ひとつの作品を評価するためにひとつの評価基準をこしらえ、それがすんだら捨ててしまって、もう使わないことです(そうそう理想どおりにはいきませんが)。

 こうした理屈話で重要なのは、評価を導き出すことよりも、その過程で用いられる評価基準を見せることです。話の終着地点ではなくて、そこまでにたどられる経路です。

 言い換えると、この手の理屈話で見せる芸は、どんな評価基準をでっちあげるか、という芸です。



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