指輪世界の第五日記。基本的に全部ネタバレです。 Twitter 個人サイト

クリエイター演技・信仰対象としての製作者

 神も死んでずいぶんになり、航空運賃も下がり、人間集団を分けるマーカーとして、その嗜好する作品の価値が上昇しつつあります。

 つまり、人々の信仰対象としての製作者の価値が上昇しています。

 製作者はヒーローであり、その作品を中心として形成される世界の頂点に立ち、その人間集団を代表して振舞うことを期待されます。

 この期待に応えて格好良いクリエイター演技をしてくれる製作者・信仰対象足るべく努力してくれる製作者(桝田省冶先生/MARS公式芝村裕吏先生/インタビュー1 2 3森博嗣先生/浮遊工作室公式など)は、ありがたい存在であり、感謝すべき萌えキャラです。しかしそれはあくまで作品とは異なる局面の問題であって、別々に語るべきものだということに注意しなくてはなりません。

 われわれが視聴者として作品を語る際に、製作者のインタビューや自作品解説の格好悪さを指摘して、「このような格好悪い姿勢で作ったものだから、この作品はイケてないのだ」と評価してしまうパターンは、そのような罠の一つです。

 格好良いクリエイターを演じてほしかったという製作者へのうらみを、その作品への評価ににじませてしまってはいけません。製作者の演技力は、作品にとってあくまでオマケであり、付いていれば嬉しいけれども、備わっているべきだと要求するものではないのです。

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