俺ROD偉人の困難
先日述べたように、R.O.Dの企画要素の相関は危うい。よってその連繋を守るために、舞台環境・登場偉人・陰謀・マクガフィンの選定には、十分な配慮が投入されるべきである。ここでRODは、暇な人間が思考実験を行うにふさわしい難易度を備えている。たとえば、俺ROD偉人について考えてみよう。
RODの偉人は、ペダンチックなマニア趣味を満足させる引用であるとともに、戦闘シーンで映える絵面を実現できるだけの、あるいはストーリーに気の利いた悪巧み*wdmを提供できるだけの特殊能力を持たねばならない。ここでむずかしいのは、RODの偉人の特殊能力の現実レベルが微妙なラインに引かれていることである。
源内のエレキテル、リリエンタールの飛行機、ファーブルの昆虫などは、原理的にそれほど無茶に設定されてはおらず、エネルギー効率は極悪に良いものの、ジョジョのスタンド能力や聖闘士星矢の聖闘衣などと一線を画す。スタンドや聖闘衣の力は現実現在の科学技術段階と無関係に発生しているが、ROD偉人の特殊能力は一定限それに拘束されているようである。源内やリリエンタールは機材を介しているし、ファーブルはバイオテクノロジーだとか言えば、それなりに言い張れる。
つまりRODでは、現代に蘇った偉人が、現代の科学技術段階を基盤にして4歩ぐらいぶっとばしたうえで、本人のコスプレをしている、といった観がある。ぶっとばしてはいるが、あくまでその基盤に、現実現在の世界を押さえている。
この観点から言うと先日の俺RODで空想した偉人は皆落第である。彼らの能力の根拠はむしろ読子ザ・ペーパーの「愛あれば通ず」に近い。
まあ、理屈をここで打ち止めにして、具体的な空想に移る。
俺ROD偉人、キュリー夫人。特殊能力:核爆発……没。このように俺ROD偉人の空想には多大な困難がつきまとうのである。
俺ROD偉人、ラプラス。特殊能力:物理系予想能力無限大。弱点:人間のきまぐれ。(本当は、人間の精神に神秘性を求めるのはぬるいけれど。)仲間の愚かさを信頼した連繋かなんかで倒すと美しい?
俺ROD偉人、ガンジー。特殊能力:非暴力……没。勝てねえー。いやむしろこの手段こそ真の勝利を得うる手段のはずなんだが、だがあきらかに没。
俺ROD偉人、タレス。特殊能力:なんでも水から変成できる……強すぎ。没気味。
俺ROD偉人、ゲーリケ。ダンジョンシーンで、球状の部屋に読子たちを閉じ込め真空にするという一発トラップ芸のみ。弱すぎて没気味。
以上のように、偉人の空想はかなりむずかしい。いったいどうすれば……
いやどうしなくてもいいけど。
[wdm]悪巧み
あれ? わるだくみ=>悪企み じゃないのか、と思って広辞苑引いたら、【悪巧み】悪いたくらみ。奸策。「――が露見する」 とある。悪企みという項は無い。ええー。非常に違和感がある。悪巧みと書くと、狡猾とか、ずるがしこいに類した言葉に見える。といって、わるだくらみ、と発声するのも気味悪いし……ぐぐったら言葉の壷というところが当たったが正解は載っていない。
保留。