指輪世界の第五日記。基本的に全部ネタバレです。 Twitter 個人サイト

投資回収時期から戦闘美少女

 先日id:ityou:20040531書いたのの続き。戦闘美少女話。

 精度のあやしい先日の話にさらに精度低く組み足した話だから、くれぐれも真面目な話の手の届かぬ所に置いて、娯楽理屈として御利用ください。

 日本ではここ1万年および30年、人間一人分の投資回収時期が遅くなりました。さて、繁殖適合時期の幅の性差と労働力の性差からして、この遅延効果には性差が生じます。つまり一定程度、青年の価値が減じ、女子の価値が上がりました。

 また別の面から見ると、戦争その他の腕力勝負の季節が去ったことで、肉体的に優秀であることの意味が男性から減じ、相対的に女性に増えました。男の子は社会的に勝って手に職つけなければその価値を示せないのに対して、女の子は可愛ければその身一つでいるだけで価値を持ちうる、と、いう方向に、ある程度、1万年と30年、ずれたわけです。

 ものすごく雑に言って、これが若年文化における戦闘美少女の根拠と考えることができます。肉体的に優れた女の子は、画面内に立たせるだけで、強くあれる。対して青年はいかに美男子偉丈夫であっても、ただフレームに入ってきた初登場時の絵面だけでは強キャラかヘタレギャグキャラかは不定で、そこから行動して同一集団内の他者との関係を展開し、物語を進行させ、勝って見せる必要ができた(増えた)。

 一方、1万と30年前とかわらず、環境(非人間的/社会集団の外の悪)と戦う物語形式のジャンル(戦隊物その他。このへん参考:ウテナとゾンダーメタル)自体は残存し、上演されている。環境との戦いは非社会的で、肉体的なものであり、したがってそこに美少女が戦闘者として立つことになった。

 注意、これは、ここまでは赤くてこれからは青くなるというきっぱりした話ではなくて、1万年と30年分、ある程度ずれたという話です。ずれた間隙をたとえばセーラームーンなどの作品が埋めていると考える。ずれ以外の部分には依然戦闘少年/青年ものは存在しているのです。



 ちょいと話が変わりますが、この30年の変化に対して、男子強く生きるべしという古い社会通念がタイムラグとして残っているため、これは一種の呪いとして作用しており、そのカウンターとして、呪われた男の子たちの間に自虐的な女装男子いじめエロジャンル(サンプルリスト:美女装漫画計画)を成立させていたりします。朋友兄鬼氏(STUDIO ROCK)が着衣麻雀という阿呆な同人企画を進行中なので、阿呆な人は励ましてやってください。

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