TRPGの情報
TRPGのコンテンツ、すなわち情報について考える。
たとえば、ルールをディストリビュータが売る。世界設定は既存の原作小説のパブリッシャが売る。シナリオはユーザーゲームマスタが作成して、プレイはユーザープレイヤとともに行う。
そしてたとえば、この世界設定は、ディストリビュータが書いて売ってもよく、ユーザーゲームマスタが作ってもよく、あるいはユーザープレイヤがプレイ中に言ったことでそう決まってもよい。その情報作成を誰が担うかは任意だ。
ディストリビュータは、世界設定をつぎつぎ書いていって売ってもよい。
ディストリビュータは、シナリオをつぎつぎ書いていって売ってもよい。
ディストリビュータは、リプレイをつぎつぎ書いていって売ってもよい。
ユーザーは、自分たちがどの部分をどれだけ担当したいかによって、ゲームを選び、サプリメントを組み合わせ、残した空隙部分を自分たちで埋めて、遊べばよい。*1
これを逆に考えると、市場内の嗜好の異なる層に対して、ディストリビュータがコンテンツにどのような情報を含めるかによって、異なる販売戦略となるわけになる。あるタイトルが、どこまでの情報を提供するか(それすなわち、どれだけの空隙を残すのか)による区別だ。基本的には、ディストリビュータは、なるたけ多くの情報を提供しようと志向するものであろう。
別の言い方で考えると、TRPGというのは、ある一個の、情報の完結して成立しているゲームがあって*2、それを数人で遊んでいるときに、「なあ、これ、このゲームの情報が完結してなくて、不定の空隙部分があったとしても、俺ら、遊べるんじゃね?」という話のものと考えられる。
*1 遊べばよい
市場としての見方からすれば、遊ぶ必要もない(遊ばずにリプレイを買っていくユーザーも十二分にユーザーである)。
*2 ある任意の独立して成立しているゲームがあって
歴史的には、個人級の戦闘SLG、チェインメイル。
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