指輪世界の第五日記。基本的に全部ネタバレです。 Twitter 個人サイト

バーチャファイターは一次元 その2

 SF2では、攻撃判定範囲と被害判定範囲を併せ持つキャラクターが水平方向に、またはジャンプの軌道に沿って動き、その上の任意の点(任意のタイミング)でプレイヤーはボタンを押して攻撃判定と被害判定を変形させることができる。一般に、被害判定は常に存在し、攻撃判定は短時間しか発生せず、前者より広く、あるいは敵に近い方向に出る。自分の被害判定に敵の攻撃判定をかぶせられるリスクと、敵の被害判定に自分の攻撃判定を重ねるベネフィットとがあり、水平x軸方向にせよ、xyジャンプ軌道にせよ、敵に接近していくことによってこの両者が上昇していくというシステムが美しい。



 バーチャロン類似なゲームでは、攻撃判定だけを放出して遠距離に届けることができる。またそれらの攻撃判定は長時間持続存在する。インターフェイスがマウスでない以上、弾体の自動追尾機能が必要であり、それにより、自分と敵とをつなぐz軸直線が、プレイ時間のかなりの部分で"いてはならない場所"として形成される。こう考えると、ブーストジャンプや横ダッシュによって、z軸直線上から適切なタイミングで被害判定を一時退避させるという裏ビートマニア的なゲーム性が見出せる。あるいは、プレイ中のほとんどの時間をz軸直線から逃れて浮遊して過ごし、敵の攻撃判定が途切れてz軸直線上にいてもいいわずかな時間に着地して息継ぎをすると考えてもよい。

 このことを別の視点からみると、ガンダム的な世界観は、巨大なロボットが高速機動して戦うというものである。よって自機か敵機かを画面内に大きく収めねばならず、にもかかわらず広い空間が必要である。この二条件がかなりタイトで厳しいため、それらを満たした結果のゲームシステムは裏ビートマニアになってしまう、と言える。



 バーチャロンは言ってみれば、こう解釈することもできる。敵弾の誘導性能が重力の大きさで、横ダッシュによる回避がジャンプ。敵弾の等速運動軌道が地面。

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