モンスターハンター3/二大巨獣の暗闘
「いま注目しているゲームか。Wiiのモンスターハンターだね、来年発売だから、今、熱いことになっているんじゃないかなあ?」
「ほう? どういうことです」
「モンハンシリーズは、数百時間も遊べる、非常によくできたゲームなわけだ。それはたいへん素晴らしい……ことなのだが……ハードメーカー側である任天堂は、小中学生に400時間とかどっぷり遊ばせるソフトを、Wiiに出させて喜ぶと思う?」
「ふーむ」
「Wiiは、本体にプレイ履歴を残して、お母さんがチェックできるようにするほど、お母さん寄りの方針のハードでしょう。たとえば、『中毒』なんてキーワードが出ないようとても気をつかっているはずと思う」
「モンハンは、PSP版のコマーシャルなんかでは、中毒性を開き直って押し出したりしてましたけどね」
「そう、あんな朝チュンな絵面なんて、まさに任天堂が避けたいと思っているイメージなんではないかな」
「それが熱いんですか」
「熱いよ。新路線への移行を大成功させて飛ぶ鳥を落とす勢いの任天堂の担当者と、狩猟ゲーム技術の極意を会得して飛ぶ鳥を落とす勢いのモンハンの担当者とが、ゲーム性の立て方で激突するのは必至! ……と妄想すると熱い」
「ははあ、『50時間位で、ああ終わった、満足だ、と電源を切れるような構成にできないんですか! ていうかしろ!』『ふざけろ! そんなことしてったらシステムの骨が抜けちまう! タマ落とす気か!』とか」
「いや、まあ、そういう言葉遣いじゃないと思うけど……でも、そういう意味合いでの我の違いが出てたらと思うと楽しい。どちらもそれぞれ、自分の方向性でノリにノってるところで、言い負ける場面が思い浮かばないからさ。不動の物体どうしの衝突判定、無敵の二大巨獣の激闘が、いま繰り広げられているんじゃないかなと」
「じゃあそれでモンハン3はどうなると思うんです」
「わからん。だから注目しているわけで。二大巨獣の闘争を、直接見ることはできないけれど、出てきたソフトのそこここに、その戦いの傷跡が残っていないかなとかさ」
「迂遠ですね」