スチーム城、発進 (はっしん!)
「親父ィ! あんたは……あんたはまるで子供じゃないかッ」
「お前もなったんだろォ……
スチームで……」
スチームボーイを観て来ました。機械の動作を説得する描写が欲しかったですね。一輪車や戦車、飛行機械などの嘘メカを、「ホラここがこうつながってて動くんだよ」と見せくるめる心遣いが欲しい。操縦席のレンズとマスタースレイブはその意味で楽しいシーンでした。
人形の命が顔ならば、アニメの命は建築物、と押井守先生が言ってましたが(『イノセンス創作ノート』)、中盤の舞台である財団のパビリオン、および終盤のスチーム城は問題がある。どちらも内部構造が説明されず、部屋や通路の接続関係、そして機能が、描写されない。無念です。
「城を……城を起こすぞ」
「すっ スチーム城をですか」
「いまの圧力で城のメインタンクを充填できるかどうか……下の予備ボイラの系統を回してもらえれば あるいは」
「そッ それに圧力が切れれば今の2倍の体積だぞ
よく考えるんだ! スチームボーイ!」
「スチーム……ボーイ……?」
「そうだ……」
吸血鬼ハンターDのOVAを借りて観ました。うげえ、天野喜孝先生の絵が動いている(髪の毛も)。お話は適当ですが地獄のような動作画のクオリティがあります。これも荒野や森であれこれしてるよりもラスボスのカーミラ城に着いてからがぐっと締まるんですよね絵面が。いい城ですよ、変な首斬りトラップとかなくて。とか思っているとオチでそれが……
「爆発した!?」
「いや、大丈夫だ。
離床!!」
なにいいいい発射したァ――!? こっこれは一体どういうことでい アンディさん!? アンディさーん!!(※0080ネタ)
文明が衰退して中世/西部開拓時代みたいになった一般の人間の世界が、特異体質になりながらも文明を保持している「貴族」/バンパイアを狩り殺しているという、設定的には燃えSF度が高濃度で匂います。辺境の山奥で本とか原子力のひみつとかを伝え守ってる集団がいて……今度みかけたら原作を読んでみよう。