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俺の屍を越えてゆけ/記録+ノーリセットやよし

 去年やった『俺の屍を越えてゆけ』のプレイ記録4枚:


家系図 親神、生没年月(※年の下二桁+月二桁表記)、職業など。31人13世代。直系主義で構成されている。

月記録1 出撃先ダンジョン、出撃者、その出撃の狙いやメモ、月末時点での所持奉納点など。

月記録2 1021年12月大江山踏破。

月記録3 1029年05月クリア。

 スキャナ付プリンタの低価格化は素晴らしい。

 直系主義については海に浮かぶマトリョーシカ人形前半部およびその脚注を参照のこと。



自分ルール:

(1) ノーリセット

(2) どっぷりモードオンリー

(3) 無限稼ぎなし

(4) 武器交換による忠誠度保持なし



方針:

なるたけ少ないトータル人数でクリアできるようつとめる。

※直系主義は方針ではない。方針に従って採られる最適化の手法である、が、数多い俺屍サイトの家系図であまり見かけない。



 俺屍は手元の紙に記録を取って遊ぶのにうってつけのゲームである。以前海に浮かぶマトリョーシカ人形後半部で触れたように、俺屍には繰り返す時間単位がいくつも、何重にもある。毎年春と夏の選考大会、年末2ヶ月だけの大江山開山。各キャラクターの交神、2ヶ月後の誕生、2ヶ月の訓練期間、6ヶ月の成長期、熟年期、老化と死。あるいは7柱の中ボスの打破。各月の8つの時の火。

 そしてマップ構成はほとんど変化せず、同じダンジョンに何度も訪れ、徐々に深層へ足を伸ばしていく繰り返しのプレイとなる。最近のコンピューターRPGはこうした再訪性が低く、一度だけ通過されて、反復されることのないマップがままみられるが、俺屍はそうした構成の逆にあるといえる。

 このように幾重にも重ねられた反復構造により、俺屍では将来の展開を見越してゲーム内での2〜3ヶ月先の予定を立てることが可能かつ有意義であり、実際にたとえば春の選抜大会出場時の戦力ピークを意識した交神(子作り)は広く行われている。一般にゲームプレイにおいて、将来の展開を意識したプレイは趣が深くなるものである。というのは、そういうプレイでは、現在これから行うプレイに、未来のいくぶんかが賭けられていることになり、この上乗せぶん選択の重要性が、また関連ファクターが(したがって複雑性が)増すからである。重要性と複雑性がともに高い課題は、ゲーム性が高くなる。これは成長システムを含むゲーム一般で利用されている性質である*1

 そしてゲーム中の毎月の記録を手元の紙に書き付けることは、文脈を作ることであって、未来の展開を意識するうえできわめて役立つ。言い換えるとそれは関連ファクターを書き上げながら動くことである。

 未来を意識しながら/数ヶ月先のイベントへの準備を考えながら動くプレイでは、予定を考えるのが楽しい。そして、その予定が予期せぬ突発事によって乱された時も楽しい。典型的な例は、直系の子が直系の子を遺す前に死ぬ、「直系の断絶事故」である:


1023年07月、白骨城にて角(つの)死亡

家系図の角の部分 角の直下にあるのは月光天との子供のために空けておいたスペース

 今回のプレイでもまんまと起きた直系の断絶事故。これ自体、8個中2個目に赤い火が出るというささやかな突発事に反応し、中ボスを侮って挑んだために起きているが、直系の角が死亡したためその息子である「やたノ黒蝿」由来の惣一郎から血統が立て直されるという大事に発展した。月記録をみるとこの時点で奉納点は30247点あり、1ヶ月あたり4〜5000点稼いでいるので、角はもう2ヶ月程度で36159点の男神月光天ヨミを娶れたはずで、全くの痛恨事である*2。思い出すだに腹部の底のへんがじわりと冷える。

 ポイントは、俺屍の各キャラクターがかならず寿命を持ち、死が不可避なので、事故死と寿命死とがグラデーションでつながって本質的差異が薄まること。これによって事故死をリセットで打ち消す意味が減り、ノーリセットプレイが成立しやすくなって、「ゲームにおいて真に人が死ぬ」コンシューマーゲームになっている(ゲームで人を殺す)。こうした情動を体験できるゲームは多くはないので、ぜひともノーリセットで遊ぶのがよく*3、記録をとって遊ぶのがよい。なんとなれば数ヶ月毎に予定を計画化し文書に起こしていくのもよいではないかと思われる。





*1 未来が上乗せされること

 逆の言い方をするとこうなる:

「シミュレーションRPGってやつは後半だれるんだよ。なぜなら、プレイヤーの使うユニットが成長し、持ち越されていくからだ。ユニットが成長していく以上、序盤のマップでの育て方が重要になる。それを裏返していえば、ゲーム終盤のマップでは、そのマップそのものでの戦術よりも、そのマップまでにどうユニットを育ててきたかが重要になってしまうということなんだ。だから序盤のマップほどプレイヤーの決断一つ一つが重く、終盤のマップほどそれらが軽い。ゲーム終盤、ストーリーの盛り上がりに反してゲームバランスは『負けない・どうでもいい』の興ざめ状態になってしまうんだ」
(5人タクティクスオウガ思想的背景

 俺屍では、一世代ごとの個体の寿命死により、持ち越しがある程度断ち切られるため、中盤で決断があまり軽くならない。しかし最終盤では、さすがに軽くなる。



*2 角の死に台詞

 「極楽でも地獄でも、皆のいるほうに行きたいな……」ってあんた! あんたにいてほしいのはどっちでもないよ。ここだよここ!! ちくしょう!!





今回のエントリに対する理屈くんのコメント:

 「可能かつ有意義」はゲーム関連の理屈をいう時に役立つ言い回しになると思う。





俺屍固有のトリビアルなメモ:

・どっぷりモードでは雑魚戦の重要性が増す(※今回31人中薙刀士22人)。属性薙刀入手重視。ただし属性武器はその入手に応じて柔軟に家族計画すること。入手に応じた柔軟な予定変更こそ、本文で論じた俺屍の美点のひとつである。

・葦切四夜子先生の体水はあまりに良く、839点という値段が信じられない。次にこの体水に匹敵する神って何点だよと。見目裏腹に骨盤めっさ丈夫。

・やたノ黒蝿は傍系用の婿に良いので、その解放のため、早目に羽黒のお小夜を娶る。

・一年目の大会は勝てないので出てもリスクが高く引き合わない。見送るが安定。

・稲荷ノ狐次郎様を婿に取ろうと毎月鳥居に詣でる環郡カワイス

大江山前後での子供の能力のひとつの評価基準は、何ヶ月でくららを修得できるか。傍系の縁組みは主にこれを意識する。

大江山後は、踊り屋の実戦投入を急ぐ。職業指南、属性武器、専用防具のいずれも低頻度ドロップなので意識を要する。

・引波の御守は雑魚戦ならばどんなピンチに陥っても、どんな弱キャラにでも1回行動順が回ってきさえすれば逃亡できる、ある意味最強アイテム。商業レベル5でたしか雑貨屋から消えるので、それまでに買い溜めを要する。

・知人によると、このゲームの槍の貫通の当たり判定はかなり謎いらしい。

・男女の産み分けが可能。年齢の「○ヶ月」と戦勝点の下1桁の和が偶数なら女子、奇数なら男子。俺ガ屍のネタバレ掲示板での兄猫さんの書込みより。「これで戦いは劇的に変わるぞ」

・次月に交神する場合、交神予定キャラクターの戦勝点を調整して討伐を終了する。

俺屍では全般に女神のほうが能力値/奉納点の比が良いので、その見地からは男子が良い。女神を娶れるからだ。ところが、男子は平均寿命が2ヶ月少なく、働ける期間が短い。見事なバランシングだ! まったく俺屍の設計はある種の頂点に達している。

・上記より、直系は男子に、傍系は女子に産み分ける手がある。

・このゲームを遊んでいると小学生の頃読んだ手塚治虫の『火の鳥』黎明編の、地震で山中の深い竪穴の中に閉じ込められた家族の話を思い出してトラウマ気味になる。





2004年時点での俺屍参考情報:

ファミ通の攻略本ISBN:4757701071 これは基礎資料でありぜひマスト。ただし攻略ノウハウへの信用度は低く保つべき(ゲーマーには改めて言う事でもないか)。

俺ガ屍 データ充実。まずここ。

備前錦:本舗俺の屍を越えてゆけ どっぷりモード攻略。よく書けてる

俺の屍を越えてゆけ−3サイト合同『俺屍』攻略サイト− 猛リセットスタイルでの激しい最適化がたくさん





*3 ノーリセットで遊ぶのがよい(2005.08.19追記

俺屍をリセットして遊ぶ奴は、殺す」

俺屍をリセットして遊ぶ奴は、ころす」

「声が小さぁい」

「秋広君。何を言っているの」

「先生。世の中にですね、ダンジョンに出撃して熱狂の赤い火がなかったらリセットするとか、属性武器が出ないときはやり直すとかいった人々がいるものですからね、一人粛正隊を組織しているところです」

「一人で隊って言わないんじゃない? 熱狂の赤い火というのは…ふむふむ。レアアイテムが出る時間帯のことね」

「いいですか。俺屍では物語がキャラクターに付随していません。ラスボス打倒までに起こる作りつけのイベントは、それぞれのキャラクターには帰属しない。するとですよ、たとえば稲荷ノ狐次郎を解放しに(稲荷ノ狐次郎は熱狂の赤い火が出ていないと解放できないのです)何ヶ月もダンジョンに通って、結局火が出ないまま寿命の来たキャラクターがいたとします。それでそいつを看取りながら、ああ、こいつは稲荷ノ狐次郎にふられた女だな、と思う。ところがその後でプレイステーションがハングアップして、その2年間が巻き戻ったとします。そうしたらどうなります? 稲荷ノ狐次郎にふられたというそのキャラクターは、もういなかったことになってしまうんですよ。わかりますか。」

「うむ? でも、顔も初期能力値も職業も一緒なんだろう」

「貴様あ。たるんどる。」

「待て待て。冗談だよ。つまり、俺屍では毎ターン、毎月に起きたことだけがそのキャラクターに帰属すると言いたいんだね」

「しかり。プリンセスメーカーですら、学者になった娘、とか、女王になった娘、とか、二人目の女王になった娘、といったふうにキャラクターを識別することができます。つまりループの最後にそのキャラクターのエンディングという物語が与えられる。しかし俺屍ではそれが遺言で、非常に弱い、その代替になるものもない。」

「だから、ハングって巻き戻ったりしたら、その人生を送ったキャラクターというのは二度と取り戻せなくなる、と。」

「そうです。毎月起こったことが俺屍のキャラクターの人生なのです。俺屍のキャラクターにはそれしかないのです。それをあなた…アイテムドロップが悪かっただの…初期能力値で裏を引いただのと…」

「(タクティクスオウガをリセット&ロードの嵐で遊んでいた人間の言葉とも思えん。)」

「彼らには物語があるからいいの!」

「はいはい。」

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