指輪世界の第五日記。基本的に全部ネタバレです。 Twitter 個人サイト

謎解き特権階級/現代、物理法則下での強キャラ設定

 ミステリーを読んでいて、その謎かけ部分に取り組むのは不得意です。その時間にはまだこれこれだった筈だから、こうできた筈はなくて…ね、変でしょう、だから…と考えるのが普通だ、つまり…な筈はないんだ。

 追えません。

 でも、種明かし部分は楽しい。物事が整理されていくようすは、それがなんだかわけがわからないことであっても、気持ちのよいものです。

 そして種明かし部分のもうひとつ重要な役割は、それによって作品内の萌え人格が肯定されるということです。

 種明かしをする奴が作中でいちばん偉いポジションを得る。探偵キャラ、助手キャラが、他の面でいかなまぬけっぷりを披露したとしても、作品世界内では一番偉い。謎を解かせることで、最終的にはそのキャラクターを肯定することができる。

 バトル漫画でいえば、格闘で勝つこと、仮想戦記でいえば、戦功を挙げることがそれに相当しますが、ミステリーは物理法則のディフォルメが全くなしで、社会設定も固めなため、個人レベルでのシチュエーションのみいじることになり、そこが非常に目立ちます。特殊化がわかりやすく、面白い。



 探偵を含むサークル内のキャラが肯定されるので、非常に早い段階から勝ち組が判明し、思い入れしやすく安定します。他はぜんぶイモです。物理的・社会的に今のこのわれわれの世界と同じでありながら、任意の年齢、任意の職業、任意の性別、任意の……をもつ人格を勝ち組にして他の連中をおたおたさせられるというのは、非常な強みです。

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