指輪世界の第五日記。基本的に全部ネタバレです。 Twitter 個人サイト

Then I will show you where the Class Presidents grow

学級委員長の萌え方を見せてやる ―― Feldwebel Steiner, "Cross of Iron"


伊T「ですからニナモリ(@フリクリ)萌えというのはですね…… ええい、いいでしょう、ちょっとそこに座りなさい。」

F橋「えーいいよ僕は別にニナモリ萌えじゃないんだから」

伊T「あれは技術体系としての社会性の話なんです。あのニナモリの、『嘘をついて幸せになるんだよ。一生、嘘をついて、幸せになるの。それでいいんだよね!?』というのは――くうう萌えるなあ!――つまり社会性の一部として、自分の考えを隠し、虚偽で修飾するというスキルがある。で、ニナモリはそれに気がついて、よしこれを使えばいいんだな、そうすればいいんだなと思った。」

F橋「ならそうすればいいじゃない」

伊T「しかしですね、そんなふうに自分の思情を隠すというのは、技術体系の一部であって、その体系はトータルではもっと大きなシステムを成す。それ単体で何にでも適用すればうまく効くというわけではなくて、今回は違うわけです。ニナモリは実際は父母が離婚しそうな今の状況が困っている。大弱りだ。それでそこで嘘をついてみるんだけど、そのアプローチは間違っている。で、後日談として『あたしなんか大泣きして言ったもの』で乗り切るわけですが。」

F橋「でもナオ太にもその本心?を、言ってるじゃない。嘘ってんなら全員につけ」

伊T「あー、それはですね、あの一生嘘をつきとおして幸せになるって考え方には、答え合わせって考えがある。いつの日か『わかってる』人物、事情と技術を理解できる人と会って、打ちあけ話をして、評価してもらう。そういう考えがあるんです。」

F橋「なにそれ?」

伊T「ほらあの話、長靴を履いた猫って、たしかに主人公自身は、その物語世界の横並びのほかの登場人物をぜんぶ騙して、一生騙しおおせて、幸せになります。しかしそのレイヤーの一段上にさ、猫がいて、主人公の正体が百姓の三男坊って知っているわけです。そしてその上にも読者がいて、その嘘がいかにうまく効いたか、どれだけ賢かったかを、評価してくれる。答え合わせしてくれる。物語っていうのは、そういう評価軸になるから。」

F橋「よくわからんな。ナオ太、別に答え合わせなんてしないじゃない。」

伊T「そうなんですよナオ太。ナオ太はそこんとこ、いやそれ以上にわかってない。『大丈夫だよ、ニナモはしっかりしてるんだから』って、たしかにニナモリはしっかりしてて学校レイヤーではミスなく立ち回れるかもしれませんが、小六でしっかりしてて乗り切れる問題のレベルってもんがあって、両親の離婚なんてそんなん無理です。」

F橋「ナオ太だって小六なんだから無理でしょ。」

伊T「そうですね。だからたしかにナオ太がニナモリをたすけるのは無理で、そのへん制作者が真面目なわけですが。ニナモリはさ、ナオ太がクラスの男子の中で一番ひねてるんで、ナオ太を自分の評価者にしようと思うわけですよ。ナオ太があそこで一番頭がいいと見込んで、ひとつ部屋で答え合わせをして、二段ベッドの下段から一緒に世界を笑おうと考える。すごい萌えシチュエーションですよ。貧血ものです。でもそこでナオ太はわからなくて引くし、でもってハル子が水を差すんだよねえ。渋いですねえ。」

F橋「さっぱりわからん。」

伊T「うう。F橋さん小学校で学級委員長じゃ無かった?」

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