わかもののわずかな勝利
ロボットアニメや、オブジェクト指向言語、その他についての話。
年を経て知識をたくわえた年よりは、そのジャンルのものごとのパターンや仕組みがうすうす見えてくる。それで、新しいものごとといっても、うわっつらをなでてみて、残りの部分を推測できたりするようになってくる。
いっぽう、わかものには、その分野の新作が、まるごと新しいもののように見える。
年よりから見れば、そのものごとの本当に新しいところはわずかな一部分であって、残りの部分は、それまでの先行物、古いものの引用から成っているんだけどね。
だから、年よりは、新しく出てきたものごとに心根をかけてつくすことができない。それは効率が悪いから。たしょう古かろうと、いちどひとつのものをきわめ、概要をつかんでいるのだから、新しいものにまたふかく打ち込んでも、学習効率は逓減する。
わかものは、わずかに新しいものを、まったくの新規物であるかのように、あがめうやまい、時を捧げて学ぶことができる。じっさい、かれにとっては、それについて学ぶすべてのことが新たな知見であり、時をかける価値があるのだ。それだから、それについてかれは、年よりより詳しくなることができる。
わかものは、その新作のひとわたりを身につける。そしてその少し新しい、わずかに進んだところのぶんだけ、年よりを上回る。
こうして、全体としては、わずかに前進する。
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