TRPGの情報のコミットメント
以前書いたエントリ
なるほど。
これはですね、ひとつには、こういう理屈があります。
TRPGを、ゲームマスターと数人のプレイヤーがそれぞれ教養情報を持ち寄ってコミットメントするものとして考えたとしましょう。
そうすると、各人が相互に有意な、互いの情報に互いが意味を持たせるような情報をコミットする、一種パズルのピースのように自分の教養情報を誰かのそれと噛み合わせていくためには、互いの情報がいくぶんかの文脈で重なっている、フックする必要があります。
ゲームマスターに限らないですが、このとき、その集団にとって新規な情報がコミットされると、新規なものというのは文脈からあるていど離れているから新規なわけですから、他の参加者が彼らの手持ちの教養情報をそれに噛み合わせることが難しくなります。
話が合わせづらくなるわけです。
噛み合いが生じずに宙に浮いてしまう情報が生じるのはあまり好ましいことではないので、新規なオリジナリティにはリスクがある、という理屈です。
とりわけゲームマスターは、自分のコミットメントにもっともオリジナリティを込めうる役割ではありますが、そのコミットメントはプレイヤーたちが彼らのコミットメントを噛み合わせる基幹となる部分ですので、そこでフックが少なく、彼らのうちに一人でも噛み合わせが難しくなってしまうプレイヤーがいたら、あまりよくないと思われます。
それに比べて、一人のプレイヤーの提供した情報に次へのフックが生じなくても、いわば単独で浮いてしまうにすぎず問題にはなりにくい。
とはいえTRPGでもっとも準備および運営に労力を払うのは多くの場合ゲームマスターなので、その場合それに見合うだけの、プレイヤーよりもおおめの報酬を得ることは妥当と考えられますし、それが自身のオリジナリティであることもあるとは思います。
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